こんにちは!中野区で不動産のお仕事をしているフェイス住販です!
「正直不動産」がドラマ化されてから、我が意を得たりと「リアル正直不動産」を自負していた身としてはそのことを公言してはばからなくなりました((笑))
ドラマはドラマで「こんなデフォルメされた営業はおらん!」とは思いつつも、一般の方も不動産の事について勉強になったこともたくさんあるのではないでしょうか。
情報が表に出るようになるのは、なんにせよ良い事です。
さて、本日は「相続」のお話です。
相続は「お金持ちの話」と思っていませんか?
しかし!
親族間で遺産の分け方を巡って争うケースが増えており、遺産分割事件(裁判所案件)の78%が遺産価格が5,000万円以下の事案だそうです。(令和2年度司法統計より)
相続税の心配だけではありません。
相続税が発生しなくても親族の間で「争族」となるのが「相続」なのです。
相続、おそるべし!
というか、金銭が絡むといろいろな問題がでてくるのが実態ですね。
それでは少し硬いお話になりますが、いってみよう!(いかりや長介風に頭の中で言って見てください。古いけど)
わかりにくいことに今回「相続」には法改正と新法の施行があります。
これから発生する「相続」のタイミングによって、考え方が変わっていきますので、注意が必要です。
施行を控えるのは改正民法・不動産登記法で、新法は相続土地国庫帰属法という法律になります。
2021年末に具体的な施行日がそれぞれ決まり、改正民法は2023年4月1日の施行で、遺産分割協議に期間を設けています。
実は遺産分割協議は法律上の期限が無いのです。相続開始後何十年経っても遺産分割協議は可能です。
けれど今後は、法改正によって相続開始後10年が経つと、特別受益や寄与分の主張ができなくなり、結果的に10年以内に協議をまとめる方向へ向かわせようとしています。効果としては相続開始から10年を過ぎると原則、民法で決まっている法定相続割合で分けるようになります。
新法の相続土地国庫帰属法は2023年4月27日に施行され、相続で取得した一定の要件を満たす土地を国が引き取るといった内容も含まれています。
国が引き取ってくれるなんて、処分ができない「負動産」の空き家・空き地の救世主みたいな話ですが、そうは問屋が卸さないのが行政の考える事です。
引き取ってもらうにはいくつものハードルがあります。
具体的には、以下の10項目のいずれにも該当していないことが要件になります。
①建物がある土地
②担保権または使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
③通路など他人によって使用されている土地
④土壌汚染対策法に規定する特定有害物質で汚染されている土地
⑤境界があきらかでない土地、その他所有権の存否、帰属や範囲に争いのある土地
⑥崖のある土地など、通常の管理にあたり過分の費用又は労力を要する土地
⑦工作物や樹木、車両などが地上にある土地
⑧除去が必要なものが地下にある土地
⑨隣接する土地の所有者などと争訟をしなければ使えない土地
⑩その他、管理や処分をするにあたり過分の費用又は労力がかかる土地
・・・って、面倒な不動産じゃダメじゃん!という事なのです。
しかも管理費として10年分の負担金を納入しないとならないそうです。
なんだかなぁ・・使う人、いるのかしらん。
土地・建物の相続登記を義務付け、登記がなければ過料となるケースもあります。
改正不動産登記法は2024年4月1日に施行し土地・建物の相続登記を義務付けるといった内容です。
土地・建物を相続する場合は「だれが、どれだけ相続するか」を登記しますが、これは第三者に対する対抗要件となるだけで、現在は任意で期限も決まっていません。結果、登記をせずにいるケースも多いです。
これを改正によって相続開始から3年以内に登記する義務を課し、登記しないと10万円以下の過料となる予定です。
このような一連の施行をするのは、登記簿をみても誰が持ち主なのか分からない所有者不明土地問題に対応するためです。
以前こちらのブログでも話しましたが、所有者不明土地は相続の際に名義変更をせず、長年放置することで発生します。
東日本大震災の時に真の所有者が誰なのかを特定できず、復興の妨げになったこともあります。
また名義変更をしないまま所有者不明土地は増えていき、建物も朽ちていき、特定空き家になってしまうこともあり得ます。
更に重要なのは今回の法改正や新法が施行日前に発生した相続も対象にする点です。(重要なので色を変えてみました!)
通常、法律は何かを義務付けたり、違反者に過料を科したりする場合、施行日から遡って適用することはしませんよね。
しかし今回は所有者不明土地の発生を防ぐ事を狙っているため、遡及させて適用するのです。
とはいえ、施行する制度によっては適用の猶予期間を設けているものもありますので、焦らず相続発生時期による手続き期日の目安を把握する必要が重要です。
まず多くの人に影響があると思うのが相続登記の義務化です。
相続の発生が2024年4月1日以降なら、発生から3年以内が期日となります。
すでに相続が発生している場合は、2027年3月末までに名義を変更する必要があります。
登記しなければ過料があるため早期に親族間での話し合いが必要となりますね。
遺産分割協議の改正では、施行日より前に発生した相続を対象に5年間の猶予を置き、2028年3月末が期日の目安になります。
施行日時点で相続発生からすでに10年が過ぎているケースなどは注意が必要です。
ただ10年経過する日が2028年4月1日以降になる場合は、発生日から原則10年間が期間となります。
下手に過料等取られないよう、分割協議も穏便に行いたいものです。
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